保証会社利用中に家賃滞納するとどうなる?厳しい督促の実態と対処法

保証会社利用中に家賃滞納するとどうなる?

最近の賃貸契約では、連帯保証人に加えて家賃保証会社の利用が必須となっている場合が多くあります。

保証会社とは、借主が家賃を払えないときに代わりに立替払いし、その後で借主に請求を行う専門の会社です。

保証会社を利用しているときに滞納してしまうと、どのようなリスクや影響があるのかを解説します。

保証会社が立替払いするとどうなる?

家賃支払に保証会社が付いている契約では、支払日から一定期間滞納すると保証会社が貸主へ家賃を立替払いします。

例えば「支払日から10日経っても入金がなければ保証会社が立替える」など契約によって定めがあります。

保証会社が大家さんに家賃を払ってくれるため、大家さんは家賃収入の遅延を回避できます。

しかし借主にとっては、債権者が大家さんから保証会社へ切り替わるだけです。

保証会社は立替払いした家賃と手数料等を借主に請求してきます。

この時点で滞納額=保証会社への借金のような形になります。

保証会社からの請求には、滞納した家賃に加えて遅延損害金や立替手数料が上乗せされることがあります。

契約内容によりますが、立替1回ごとに○円の手数料、年利○%の遅延利息などが発生し、結果として支払総額が増えてしまいます。

保証会社からの督促と対応

保証会社は貸主に代わって支払った後、すぐに借主に対して督促を行います。

督促の手段は電話・郵便・メールなど様々ですが、その口調や姿勢は場合によっては管理会社よりも厳しいことがあります。

保証会社の督促の特徴

頻度と圧力

保証会社は自社のお金を肩代わりしているため、回収に非常にシビアです。

電話も1日に何度もかかってきたり、郵便が何通も送られてくることがあります。

このままでは契約継続は難しい」「至急支払わないと法的措置を取る」といった強い言葉で迫られることもあります。

実際、「保証会社から『すぐ振り込まないと出て行ってもらいます』とかなりキツく怒られた」という体験談もあります。

保証人や緊急連絡先への連絡

保証会社に緊急連絡先や別途保証人を登録している場合、それらの人にも連絡が行く可能性があります。

本人と連絡が取れない」「支払いに応じない」となると、親兄弟に連絡され督促されることもあります。

家族に知られたくないと思っても、契約上そうした連絡は許容されていることが多いです。

滞納額次第では法的手段も

保証会社は回収専門会社でもありますから、一定期間返済がなければ訴訟提起や強制執行などの法的措置も早めに検討します。

特に悪質と判断されれば貸主を代理して明け渡し訴訟を起こすよう大家さんに働きかけることもあります。

つまり保証会社が実質的に退去まで主導する場合もあるのです。

こうした保証会社からの督促に対しては、基本的に管理会社・大家に対するときと同様、早めに連絡を取って誠意ある対応をすることが重要です。

ただし、保証会社はビジネスライクに回収を図ってくるため、交渉のハードルは高いかもしれません。

ポイント

保証会社から連絡が来たら、「すでに○○円は用意できています」「残りはいつまでに支払います」と具体的な返済計画を伝えてみましょう。
全額一度に支払えなくても、一部入金すれば態度が柔らかくなる場合もあります。
また、どうしても支払いが難しいときは「◯◯まで退去しますので待ってください」といった提案もありえます。
保証会社にとっては借主が退去してくれればそれ以上家賃が嵩まない利点がありますので、「退去+分割弁済」の和解は一つの落とし所です。

信用情報やブラックリストへの登録リスク

信販系の保証会社の場合、滞納情報が信用情報機関に登録される可能性があります。

特に2~3ヶ月以上滞納が続いた場合はそのリスクが高まります。

保証会社は貸主への立替金を「借入金」とみなして取り扱うため、それが延滞扱いとなるわけです。

信販系でなくとも、保証会社同士の情報共有によりあなたの滞納履歴が業界内ブラックとして残ります。

一度保証会社で問題を起こすと、今後他の物件を借りる際に保証会社利用がネックになることは覚悟しなければなりません。

保証会社利用時のメリットとデメリット

保証会社を利用していることで、すぐに住まいを失わずに済むという側面もあります。

大家さんからすれば保証会社から家賃が支払われている間は損害が出ません。

そのため、直接大家さんが怒鳴り込んできたり即座に追い出される可能性は低くなります。

ある意味「クッション役」になってくれるわけです。

しかし、その代わりに厳しい取り立て役が間に入ると考えるとよいでしょう。

保証会社からすればビジネスで、あなたは「借金の返済者」に他なりません。
個人間の情よりも契約と金銭が優先されます。

実際のリスク事例

ケース1: 保証会社からの執拗な督促

毎日電話が来て精神的に参った」という声もあります。

特に昼夜問わず連絡が来る、職場にまで電話された、といった話もネットでは見られます。

督促が厳しすぎる場合は消費者センター等に相談する手もありますが、滞納事実がある以上ある程度は仕方ないとも言えます。

ケース2: 保証会社の担当者から退去を迫られた

前述の通り、「払えないなら出て行ってもらいます」と強い口調で言われた例があります。

これは実際には保証会社自身に部屋を明け渡させる権限は無いものの、心理的圧力になります。

借主としては、退去すると約束すれば猶予をもらえる可能性がありますので、状況次第ではそれも検討してください。

ケース3: 立替後に交渉が難航

ある人は約10ヶ月の滞納を溜めてしまい、保証会社に「分割で払いたい」と申し出ましたが聞き入れてもらえず、とうとう裁判所から呼出状が届いたそうです。

滞納が長期・高額になると、もはや保証会社も分割和解に応じず一括回収(法的措置含む)に舵を切ることがあります。

長引かせるほど交渉の余地は狭まるということです。

保証会社利用時の対策

保証会社が絡んでいる場合、とにかく立替が行われる前に滞納を解消するか、立替されたとしても早急に保証会社へ返済することが重要です。

立替が行われるまでの猶予は契約次第ですが、おおむね1ヶ月以内です。

立替前ならまだ大家さんとの直接交渉で済みますが、立替後は相手が回収のプロになります。

もし立替が行われてしまったら、以下を心がけましょう。
  • 速やかに保証会社に連絡し謝罪・返済計画を伝える。
  • 一部でも入金する。
    少額でも払えば「回収不能ではない」と判断してもらいやすくなります。
  • 返済計画を書面で提出する。
    可能なら「◯月までに完済します」という念書を書き、メールやFAXで送るなどすると本気度を示せます。
  • 必要なら第三者の力を借りる。
    どうしても交渉が難しいときは弁護士や司法書士の無料相談でアドバイスをもらうのも良いでしょう。
    代理人が入れば保証会社の態度が軟化することもあります。
保証会社は本来「借主の味方」というより「大家さんの味方」です。

しかし借主にとっても、保証会社が間に入ることで一時的に住まいを確保できるという点で恩恵はあります。

その恩恵を受けた以上、できるだけ早く保証会社へ返済して契約関係を正常化する努力が必要です。

滞納が解消すれば、保証会社との契約はそのまま継続し次月以降はまた通常通りになります。

逆に解消できないままだと、保証会社から契約を打ち切られ、結果的に賃貸契約自体も維持できなくなります。

まとめると、保証会社利用時の最大のリスクは「滞納=借金化」してしまうことと、「業界ブラック」に載ることです。

しかし適切に対応すれば一時しのぎにはなっても即住まいを失うことは避けられます。
この猶予期間を活かして、収入の立て直しや支援の活用などに動きましょう。