家賃滞納するとどんな連絡が来る?管理会社の督促手段と実際の流れを解説

家賃滞納するとどんな連絡が来る?

家賃滞納時に貸主・管理会社から取られる連絡手段

家賃の支払日を過ぎてしまうと、まず貸主(大家さん)や物件の管理会社は何らかの方法で督促の連絡をしてきます。

典型的な連絡手段とタイミングは以下の通りです。

電話連絡

もっとも早いものは電話です。

支払期限の翌日から数日以内に、管理会社や大家さんから電話がかかってくるケースが多く見られます

携帯電話や自宅電話に直接連絡が入り、「家賃の入金が確認できませんでしたが…」と支払いを促されます。


メール・SMS(ショートメッセージ)

最近ではメールやSMSで督促連絡をする管理会社もあります。

お家賃のお支払いを確認できておりません。至急お支払いくださいね。」といった柔らかい文面で連絡が来ることもあります。

実際、「家賃を数日滞納していたら管理会社から『払ってくださいね』というショートメールが届いた」という体験談もあります。


督促状(書面)郵送

滞納から1~2週間程度が経過し電話連絡などでも入金が無い場合、書面での督促状が郵送される場合があります。

内容は「○月分の家賃が未納です。至急支払ってください。〇日以内に支払いがない場合、契約を解除することもあります。」等の文言です。

普通郵便で届く督促状のほか、場合によっては簡易書留や配達証明付きで送られることもあります。


連帯保証人への連絡

借主と連絡がつかない、あるいは約束の期日までに支払いがないといった場合、契約時に保証人を立てているなら保証人にも連絡が及びます。

保証人(多くは親族)に対して「本人と連絡が取れないので状況をご存知ないですか」「家賃の支払いが滞っています」などと通知され、代わりに支払うよう請求されることもあります。


自宅訪問

管理会社の担当者が直接物件を訪ねてくることもあります。

特に電話やメールで全く反応がない場合、「部屋で倒れていないか確認」という名目で訪問されるケースがあります。

ノックやインターホン越しに応答が得られなければ、郵便受けに督促状を投函していくこともあります。


このように、滞納直後から様々な手段で連絡が来る可能性があります。

特に電話やメールは早ければ滞納翌日にも来ますので、「まだ数日だし大丈夫だろう」と油断していると思いのほか早く連絡が来て焦る…ということも起こりえます。

借主から早めに連絡・相談する重要性

滞納しているとき、あるいは滞納しそうなときは、こちらから貸主や管理会社に早めに連絡して事情を伝えることが非常に大切です。

これは心理的には勇気がいるかもしれませんが、早めに連絡しておけば無断で滞納するのとは印象が大きく異なります。

こちらから連絡するメリット

無断滞納にならない

事前・早期に相談しておくことで、「この人は行方不明ではなく、ちゃんと事情説明してきた」と相手も認識します。

無断で滞納する場合に比べて心証が良く、厳しい措置に出られるまでの猶予をもらえることがあります。

支払い猶予や分割払いの提案がしやすくなる

早めに「◯日には支払えそうです」「今月は○円不足するので来月残りを支払います」等のプランを伝えておけば、相手も「そこまで待てば払ってもらえそうだ」と判断し、待ってもらえたり分割払いを受け入れてくれる可能性が高まります。


信頼関係の維持

滞納そのものは契約違反とはいえ、事前に相談されたり真摯な態度で連絡してくる借主に対しては、貸主側も「誠実に対応してくれている」と感じます。

結果として信頼関係がギリギリ維持され、最悪の事態(契約解除・退去要求)に至らずに済む可能性が高くなります。

どう連絡すればいいか?

連絡手段は電話でもメールでも構いませんが、直接会話できる電話が望ましいでしょう。

伝える内容としては以下のポイントを押さえます。

謝罪と現状説明

まず「家賃の件でご連絡しました。支払いが遅れており申し訳ありません」と謝罪し、なぜ支払えないか現在の状況を簡潔に伝えます。

:「今月失業して収入が途絶えてしまい…」「急な出費が重なり資金が不足しておりまして…」など。

言いづらい事情でも、嘘をついたり黙っているより正直に話す方が印象は良いです。

支払いの見通しと計画

次に、いつなら支払える見込みかいくらならすぐに用意できるかを提案します。

○日には入金できると思います」「今手元に○円ありますのでまずそれを支払い、残りは来月までにお支払いできます」など、具体的な金額や日付を添えて約束します。

可能であれば不足分を親族から借りる予定がある等、資金のあてについても触れるとベターです。

今後の対応策への言及

今後このようなことがないよう○○します」といった再発防止策を述べると更に良いでしょう。

例えば「仕事が見つかるまで役所の支援を検討します」「支出を見直して生活を切り詰めます」等、できる範囲で誠意を示します。


このように連絡すれば、少なくとも管理会社や大家さんは「あなたが行方不明・音信不通ではない」ことがわかりますし、「支払う意思はあるんだな」と安心します。

実際、「連絡したら待ってもらえた」「事情を話したら来月まで待つと言ってくれた」という声もよくあります。

逆に何の連絡もしないと、「悪質な滞納者かもしれない」と相手も警戒し、より早い段階で厳しい措置(保証会社への請求や契約解除通知など)に踏み切られる恐れが高まります。

連絡が取れない・無視した場合に起こりうること

もし滞納者である借主と連絡が取れない状態が続くと、貸主・管理会社側は次の段階の対応を進めます。

具体的には保証人や保証会社への連絡内容証明郵便での督促、さらには契約解除の通告へとエスカレートしていきます。

要するに連絡を無視し続けると事態は着実に悪化していくわけです。

中には、「電話に出るのが怖い」「督促状を開封できない」という心理状態になる人もいるでしょう。

しかし勇気を出して対応しないと、状況は改善しません。

それどころか、たとえばあなたとまったく連絡が取れないと、管理会社が安否確認のため警察に相談し、警官立ち会いで部屋を開けるといった事態さえ起こりえます。

実際に「滞納者と連絡がつかず孤独死も疑われるので警察官同行で部屋を確認した」という例もあるようです(高齢の入居者の場合など極端なケースですが)。

そうなれば大事になってしまいますよね。

連絡を無視し続け最終的に裁判となれば、裁判所からの呼出状も届きます。

これも放置すれば欠席裁判でこちらの敗訴(退去命令確定)となります。

つまりどのみち公的な手続きから逃げることはできません。

借主側の適切な対応方法まとめ

  • 滞納しそう・した段階で自分から速やかに管理会社または大家に連絡する。
  • 理由と今後の支払い見通しを正直に伝える。
    嘘はトラブルを深刻化させるだけ。
  • 謝罪の気持ちを示す。
    連絡の最初に一言「ご迷惑をおかけしてすみません」を伝えるだけでも印象は違います。
  • 記録を残す。
    電話で話した内容はメモしておき、可能なら「○月○日までに○円お支払いします。本日はお時間いただきありがとうございました。」といった趣旨をメールや手紙で送っておくと後々安心です。
  • 連絡を受けたら無視せず返信する。折り返しの電話やメールを怠らない。
  • 約束した期日までに支払うか、難しければ再度事前に相談する。
    約束を違えると信頼はより低下します。

こうした対応をすれば、多くの場合、少なくともすぐ契約解除とはならず事態を打開するための時間を稼ぐことができます。

ある管理会社担当者は「きちんと事情を話してくれる入居者さんなら、こちらもできる限り待ちます」と語っています。

逆に音信不通で逃げる人には「早く出て行ってもらうしかない」と感じるともいいます。

最初のリアクションで雲泥の差が出るわけです。

実例として、「家賃滞納分を分割で払いたいとすぐ相談したら了承してもらえた」というケースもあります。

一方で、「2ヶ月滞納中に何も連絡せずにいたら、ある日部屋の鍵を替えられて締め出されてしまった」という極端なケースも報告されています。

後者は本来違法な対応ですが、借主の無断滞納がきっかけで起きたトラブルでした。

このように、コミュニケーションを取るか取らないかで結果が大きく変わるのです。

ぜひ勇気を持って連絡を取りましょう。

管理会社や大家さんも人間です。
誠意を見せれば話し合いに応じてくれる余地はあります。